適切な食事提供量の決め方~タイムテストの提案~

改定水飲みテスト(MWST)のあと、水飲みテストをしなければ結局、本当に飲水できるレベルなのか判断できないですよね。

 

 

フードテストも改定水飲みテストと同じでそのような不便さがあると思います。

 

つまり、実際は食事観察しないと評価できないという。

 

 

そこで、今回はフードテストのあとに行うタイムテストというのを提案したいと思います。

 

 

どういうことかというと、フードテストをクリアできたら、高カロリーゼリー(商品名:HC)1個を食事用スプーンで食べてもらい、どれくらいの時間で食べられるかでその人の摂食・嚥下レベルを判断しようというものです。

 

この時使用する高カロリーゼリーは、なめらかタイプのプリンやヨーグルトでも代用可能です。

 

 

具体的に例を示すと、

 

3分以内に10割食べられたら、3食全量で提供可能

3分~5分以内に10割食べられたら、1/2量(+補助栄養)から3食提供開始

5分~10分以内に10割食べられたら、昼のみ1食(全量 or 1/2量)から提供開始

10割食べられない、もしくは10分以上かかるとなったら直接訓練から開始

 

と、このように判断していきます。

 

 

ここで注意する点としては、自力摂取できる人ならその人のペースで食べてもらえばいいのですが、介助の場合は介助者のさじ加減で時間が変わる恐れがある点です。

 

それを防ぐために毎回、同タイプのスプーン(私の場合は、中さじ)で一口量を統一し、患者さんが嚥下したら次の一杯を速やかに口に運ぶというペースを守るようにしています。

 

一口入れたら、嚥下(喉頭挙上)が起こるまで次の一口は入れないようにすることで、摂取時間がその人の摂取・嚥下能力を計る重要な意味を持ってくる訳です。

 

 

これで食事の提供量を決めて、後は食形態ですが、これはフードテストの結果を基準とし、改定水飲みテスト(MWST)を利用して、クリアしていれば全粥・刻みトロミ以上の食形態で開始可能と判断しています。

 

*詳しくは、別記事『MWSTを用いた摂食嚥下評価の精度を上げるコツ』をご参照ください。

 

 

最後は、もちろん食事場面での観察評価も忘れずに行うのですが、このタイムテストを事前に行うことで、食事内容の決定がよりスムーズかつ適切になったと感じています。

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