MWSTを用いた摂食嚥下評価の精度を上げるコツ

STにはおなじみの改訂水飲みテスト(MWST)というのが嚥下のスクリーニングテストでありますね。

 

 

MWSTは嚥下障害があるかの判定や水分誤嚥しないかを水飲みテストの前に実施したりするかと思うんですが、それだけの意味合いだとちょっと物足りなくないですか?

 

 

そこで、私はフードテストの補助的な評価としてもMWSTを位置づけています。

 

 

具体的に言うと…

 

例えば、水飲みテスト(30cc)がクリアできれば嚥下機能は基本良好ですよね。

 

 

しかし実際、嚥下評価・訓練の処方が出される人で水飲みテストが問題なくクリア出来る人はかなり少ないですよね。

 

 

そこで、VFやVE、フードテストを行って評価していくと思うのですが、例えばVFやVE、フードテストで全粥・刻みトロミ食が誤嚥なく摂食可能であっても本当にその食形態で食事開始して大丈夫なのでしょうか?

 

 

まだVFやVEなら嚥下反射惹起遅延や咽頭残留、喉頭侵入等がかなり正確にわかるので、それを判断材料に出来ると思いますが…

 

それでも食べる量(評価している量)としては2口程度のものなので実際の食事とは異なる可能性がある訳です。

 

 

また、VFやVEといった画像診断が必ずしもできないとなるとなお評価は難しくなるかと思います。

 

 

安易にフードテストで全粥・刻みトロミ食が4点以上(むせ、湿性嗄声、中等度の口腔内残留が全てなし)だから、全粥・刻みトロミ食から食事を開始しようでは、痛い目にあう場合も少なからずある訳です。

 

 

 

そこで私は、ミキサートロミ食より上の食形態(当院では全粥・刻みトロミ食)から開始する場合は、フードテストに加えて、MWSTもクリアできる嚥下機能が保たれているかを判断基準としています。

 

 

これは経験則的な話ですが、そうすることで、実際の評価精度が格段に上がりましたので、シェアします。

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