脳血管障害(CVA)後に声が出にくくなる理由
脳梗塞や脳出血といった脳血管障害後に声が出にくいと嗄声を訴える患者さんは、少なからずいます。
特に男性に多い印象があります。
では、なぜ、声が出にくいのでしょう。
一側性の核上性麻痺であれば、声帯麻痺は生じないはずなのに…。
恐らく、
臥床による腹筋群の筋力低下や片麻痺による胸郭の可動域制限で、発声に必要な呼気がそもそも弱くなっていることがまず考えられます。
さらに、
声帯の萎縮や声帯溝症が潜在的にあり、それが呼気の低下により嗄声として顕在化してるのではないかと考えます。
特に60歳以上の男性には、声帯に萎縮がある人や声帯溝症の人が多いそうです。
だから、特に男性に訴えが多いのだと思います。
STになりたての頃は、反回神経麻痺や脳幹梗塞でもないのに嗄声を訴える原因がずっと疑問だったのですが、今は、こうなのかなと思っています。
そんな嗄声、特に気息性嗄声に対する音声訓練については、『声帯麻痺の〝仮声帯発声にならない″発声方法』という記事で詳しく書いていますので、よろしければご参照ください。