摂食嚥下障害の4大リスク

摂食・嚥下障害におけるリスクには何があるでしょう?

 

パッと思いつく代表的なのは、誤嚥、窒息、低栄養、脱水ですね。

 

これらを4大リスクとして、今回はそのリスクについて書いていきます。

 

まず、誤嚥ですが、これは誰もがまず始めに1番留意するリスクと思います。

 

誤嚥の何が怖いって、それに伴う気管支炎や肺炎が怖い訳で、今の日本人の死因第4位が肺炎で、高齢者の肺炎の大半が誤嚥性肺炎だと言われていることからも誤嚥→肺炎が死に繋がる重大なリスクだとわかる訳です。

 

また、先ほど4大リスクと書いた低栄養や脱水も誤嚥が原因になっていることが多々ありますね。誤嚥するから食べれない・飲めない→低栄養・脱水になると。

 

なので、摂食・嚥下リハでは、まず誤嚥を防ぐことに注力するんですね。

(誤嚥しても肺炎にさせないというリスクコントロールもありますが、それはまた改めて書きます。)

 

 

次に窒息ですが、準備期に問題があって丸呑み傾向の人や咽頭クリアランスが不良な人に特に注意が必要かと思います。

 

あと、忘れてはならないのが、意識状態が不安定な人ですね。

 

意識状態が不安定な原因は、

①脳血管障害などの原疾患
②認知症や昼夜逆転
③抗精神病薬などの薬効
④低栄養・脱水、電解質バランスの崩れ

等々あるかと思います。

 

全身状態の改善に伴って、逆にこれまでみられなかった不穏や昼夜逆転を生じると、その対処の為、途中から精神安定剤が投与される場合があります。

 

その場合は、覚醒の変動を予測して、注意深く経過観察したり、先んじて手を打っておく必要があるかと思います。

 

本来の能力的には問題がなくても覚醒が低下した状態で、無理に食事介助されると途端に誤嚥や窒息のリスクが高まりますので。

 

また、VFやVEが可能ならば…

喉頭蓋谷には貯留するけど、梨状窩には貯留しない場合、食事時の誤嚥のリスクより、むしろ窒息のリスクを考慮します。

 

梨状窩に貯留が認められる場合は、検査時は喉頭侵入や誤嚥がなくても食事時の誤嚥のリスクは高いと判断します。

 

最後、低栄養・脱水も嚥下障害の増悪に関与しており、負のスパイラルに陥らないようにSTも注意する必要があると思います。

 

血液データのTP、ALB、BUN、Creを栄養や脱水の指標として、加えてCRP、WBCを炎症の指標としてチェックしておけばよいかと思います。
更にNa、K、Hbもチェックしておくと尚よいかと思います。

 

そういったデータをチェックしておくと摂食嚥下リハビリテ―ションのマネージメントの指針としても非常に役立つと感じています。

 

その上で、自分でできること(低栄養・脱水対策)はやって、それでも限界はあるのでDr.やナース、管理栄養士や介護士・ヘルパーさん等、他職種と上手く連携して協力していくのがベストだと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です