口腔内をコーティングするような付着がある場合の評価

フードテストや直接訓練で、口腔内全体にべっちょりとコーティングしている様に嚥下食やヨーグルトなどが付着している場合、高率に咽頭のクリアランスも不良で、咽頭残留しています。

 

例え、むせない、湿性嗄声もない、頚部聴診しても咽頭貯留音もない、といった状況でもです。

 

画像(VE)を見ていても口腔内には残留してるのに咽頭はすっきりクリアなケースは少ないないですからね。
(ただし、器質的な問題(手術による舌の一部切除など)や明らかに麻痺による影響によって、口腔内残渣がある場合はまた別ですが。)

 

文献でも『中等度の口腔内残渣のある人の約7割に咽頭残留を認める』と書いてあったのを記憶しています。

 

中等度の口腔内残渣があればわかりやすいのですが、明らかな残渣ではなくても口腔内(特に口蓋部)にべっちょりと付着している場合は、慎重に評価して進めていった方が良いと思います。

 

咽頭にもべっちょり付着(残留)した食物が、その後ゆっくりゆっくり唾液や分泌液と共に誤嚥するケースがあり得るからです。

 

明らかな口腔内残渣がなければ、口腔ケアをした時に「あれ、意外とスポンジブラシが汚れてるな」と思うくらいでスルーしがちです。

 

しかし、『口腔内のべっちょり付着は要注意!』と覚えておくとより精度の高い評価やリスク管理ができるかと思われます。

 

 

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