口腔内に泡沫状の唾液貯留がある場合の評価
臨床では、泡沫状の唾液が口腔内に貯留している患者さんにたまに出会います。
唾液が飲み込めず、咽頭でシェイクされてる状態です。
そして、その患者さんに重度の気息性嗄声かカーテン徴候があれば、球麻痺を疑います。
(他にも咽頭反射の消失や頻脈も一応チェックします。)
球麻痺による通過障害…
食道入口部の開大不全もあれば、見せかけの(咽頭収縮が不良なだけの)通過障害もあるかと思います。
食道入口部の開大不全であれば、バルーン法が有効かもしれませんし、喉頭下垂や喉頭挙上不全があるのならシャキアが有効かもしれません。
…が、その前にまず、頸部回旋嚥下を試してみてください。
左右どちらかの麻痺が(カーテン徴候やVEで声帯麻痺を目視するなどして)はっきりわかる場合は、麻痺側に回旋させて麻痺側の通路を潰せばいいのですが、臨床でははっきりわからない状況も多いです。
そんな時は、左右試すのですが、その時、嚥下音の増大の有無を確認するのはかなり有効だと思います。
よりどちらが、『ゴキュッ!』と鳴らないか。
この『ゴキュッ!』という音は、空気を含んだ音(含気音)と考えられます。
咽頭収縮が弱いから(密閉が弱いから)空気を含んでしまうと、私はそう解釈しています。
すると、毎回ではないですが、頚部回旋嚥下が抜群に有効な場合があります。
仰臥位ではカプチーノ状の唾液貯留が見られていたのにスムーズに直接訓練へ移行できた例など経験しています。
ちなみに唾液が飲みにくい理由は、唾液が『軽いから』だそうですね!
確かに水にペッと唾を吐くと浮くし…。
はじめて知った時は目からウロコでした。