ゼリーにするか?ヨーグルトにするか?~嚥下食との使い分け~
直接訓練やお楽しみレベルの摂食(藤島Gr3~4)において、ゼリーやヨーグルトは結構チョイスされていると思います。
共に咀嚼を要せず、丸呑みできるというメリットがあります。
では、どちらをチョイスしましょうか?
咽頭期の問題は、2つのポイントに集約されます。
それは、
①嚥下反射のタイミング
②咽頭のクリアランス
です。
この2つの観点から考えると
ゼリーは、スッと喉を通る。
だから、咽頭残留はしにくいけれど、スッと喉を通る分、嚥下のタイミングが遅れると誤嚥しやすい。
ヨーグルトは、ぺっとりと喉を通る。
だから、咽頭残留はしやすいけれど、ぺっとりと喉を通る分、嚥下のタイミングが遅れても誤嚥しにくい。
つまり、問題点として
嚥下反射のタイミング<咽頭クリアランスなら
ゼリーをチョイス
嚥下反射のタイミング>咽頭クリアランスなら
ヨーグルトをチョイス
といった感じで、私は考えています。
実際、ゼリーでは高率に誤嚥するが、嚥下食(ミキサートロミ食)なら誤嚥を大幅に軽減できるケースも多々あります。
*この場合、嚥下食(ミキサートロミ食)とヨーグルトをほぼ同様の食形態と捉えています。
もっとも、どちらでも問題なければ、ご本人の味の好みでよいと思います(当たり前ですが…)。
お楽しみレベルで、ご家族から持ち込み希望がある場合など応用して使える考え方かなと思います。
補足ですが…
ゼリーは、ギャッジアップ30度の頚部前屈位をとれば、咽頭の通過速度低下や(頚部前屈で角度ができて)気管の入口が狭まることから、不利な面が解消されるという考えもあります。