専門書に載っていない頚部聴診法での評価

嚥下の評価において、頚部聴診法の有益さを回復期から急性期へ移ってきて、ますます感じています。

 

今回はそんな頚部聴診法についてです。

 

 

頚部聴診法において、嚥下前、嚥下後の呼吸音を聴くというのは基本ですが、その時に呼吸音が聴こえてこないことはありませんか?

 

そもそも呼吸が弱くて聴き取りにくいこともありますが、完全に聴こえない。

つまり、一時的な無呼吸状態です。

 

これは、咽頭残留に対する防御反応として声門が閉じていること=無呼吸を意味していると思われます。

(もちろん、安静時の呼吸パターンとして無呼吸状態がないのが前提条件になります。)

 

嚥下後の呼吸は通常、呼気から再開されます。

しかし、この呼気がなく無呼吸状態の時は、咽頭残留があり、誤嚥するリスクが高い状態にあると判断してよいと思われます。

 

実際、無呼吸後に吸気が再開されムセることやVE検査で残留物に対する防御反応で声門閉鎖を観察することがあるからです。

 

 

嚥下後の頚部聴診で、湿性ラ音(咽頭貯留音)の有無だけでなく、湿性ラ音が聴こえないのはそもそも呼吸が一時的に止まっているせいではないかと注意することで、評価の精度が向上すると思われます。

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