病院で患者さんが食べたいもの
入院している患者さんに今、何が食べたいかを聞くと…
意外に?パンが食べたいという人が多い気がします。
パンは、もちやご飯に次いで窒息の件数が多いので、誤嚥より窒息のリスクを一番に考慮した方がいいですね。
特に朝食にパンがいいと仰る方が多く、朝の時間帯は日中に比べスタッフ数も少ないですし、寝起きで覚醒が不安定ということも考えられるので、慎重に事前評価する必要があると思われます。
私も咀嚼・食塊形成やペーシングを中心に必ず評価してから提供するようにしています。
次いで、ご年配の方だと私の職場が関西(大阪)という土地柄もあってか、うどんが結構喜ばれたり、食思不振の打開になったりしますね。
うどんを短く切って介助するとゼリー感覚でつるっと飲むように食べられることがありますし、お楽しみ程度に提供するのもありかと思います。
また、こちらが提供して喜ばれるのは『カッパえびせん』ですね。
カッパえびせんは、咀嚼・食塊形成のスクリーニングにも使えるので、個包装のものを職場で常時ストックしてます。
飲み物だとビールとかお酒が飲みたいという人もいますが、1番はコーヒーですね。
お酒もそうですが、タバコも入院中はそんな気になれないと仰る方の方が多い印象です。
いずれにしても摂食・嚥下機能との兼ね合いはありますが、病院でも用意しやすいので、拒食傾向の人など試してみる価値ありと思います。
話は少し逸れますが、患者さんが何気なく言った言葉で、ずっと心に残っているものがあります。
それは、「先生、食べさせてもらったら、おいしくないね。」という言葉です。
自分で食べるからこそ美味しいというのは、確かにあるのかなと思います。
介助がやむを得ない場合も多々ありますが、手添え介助でもいいから少しでも自己摂取できないか模索して試みるように心がけています。