拒食の原因を探る~効果的な拒食対応のために~

拒食に対する対応は難渋することが多く、お手上げ状態になることもあるかと思います。

 

 

拒食が強いと「本人が食べたくないのだから、無理して食べなくてもいいのでは...」とそんな思いが頭をよぎります。

 

 

しかし、食べなければ栄養失調となるわけで、なんとかならないかと悩みます。

 

 

 

 

そんな拒食に対して適切な対応をするためには、まず、その原因を探る必要があるかと思います。

 

 

その原因について思いつくものを挙げてみます。

 

 

①誤嚥

②食形態のミスマッチ(味の嗜好も含め)

③低アルブミン血症・低栄養

④認知症

⑤内科的な影響(体が受け付けない)

⑥うつ病などの精神疾患や心理的要因

 

 

まず、①の誤嚥ですが、ムセていれば誤嚥しているとわかりやすいのですが、ムセのない誤嚥=不顕性誤嚥だと気付かれないまま、食べないことだけ注目されることがあると思われます。

 

 

場合によっては、ご本人も自覚がなかったり、自覚があってもうまく周りに伝えられないこともあり得ます。

 

 

 

次に②の食形態のミスマッチですが、これも①の誤嚥と関連していて、ご本人の摂食嚥下機能と食形態がマッチしていないと食べづらく(飲み込みづらく)、そこから「食べなくない」に繋がることがあります。

 

 

また、食形態は摂食嚥下機能とマッチしていても、例えば食形態がミキサートロミや刻みトロミ食でないと誤嚥するとなった時に、その見た目や食感、味の変化から受け入れられなくて、「食べない」となる場合もあります。

 

 

 

③の低アルブミン血症や低栄養は、なんらかの理由により、絶食やごく少ない経口摂取量の状態に長期間いることで、その影響から食思不振に陥ることがあります。

 

 

 

④の認知症は、自分が今置かれている状況や食事に関わるあらゆる認知がうまく出来ていない状態が影響して、拒食が起こることが考えられます。

 

例えば、

「なぜ、ここにいるのか?」「ここはどこなのか?」

「今は何時なのか?」「朝なのか、夜なのか?」

「まわりの人たちは誰なのか?」

「目の前のこれ(食べ物)は何なのか?」

「今、何をされているのか?」「何が口に入ってきたのか?」

「なぜ、こんなもの(病院や施設で提供される食事)を食べないといけないのか?」

などといった状態です。

 

直接(摂食)訓練では、拒食がみられていたのに食事時間に周囲の人と同じようにしれっと食事を提供すると自然に食べてくれることもあります。

 

 

 

⑤の内科的な影響は、その人の疾患(内部障害)により、倦怠感が強かったり、吐き気や嘔吐、下血などの症状あるなしに関わらず、体が食べ物を受け付けないという状態です。

 

 

 

また、⑥のうつ病などの精神疾患だけでなく、強い不安や抑鬱など心理的要因によって「食べたくない」となることもあり得ます。

 

 

 

そんなわけで、一口に「拒食」といってもその原因は様々なため、まずその原因に当たりをつけていくことが効果的な対応に繋がっていくものと思い、整理してみました。

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