経口摂取(段階的摂食訓練)のステップアップ・ダウン基準
今回は、経口摂取(摂食訓練)をステップアップしていくに当たって、その目安となる基準を示していきます。
①ムセや湿性嗄声など臨床観察上の誤嚥所見なし
②2日以上呼吸器系による37.5度以上の熱発なし
③気道分泌物(痰)が減少及び増加なし
④提供食事を平均7~8割以上摂取可能
⑤食事時間が30分以内
⑥意識レベルが改善及び維持できている
⑦炎症反応(CRP)の改善及び悪化なし
⑧咀嚼・食塊形成が可能(咀嚼を要する場合)
⑨窒息のリスクを考慮する・・・特に米飯やパン、一口大のおかずを提供する場合。
ちなみに、窒息が起こりやすい食品 第一位はもち、第二位は米飯、第三位はパンとなっています。
第二位と三位は、主食として口にする頻度が多いので当然と言えば当然ですが、VEやVFにおいても米飯とパンは特に咽頭残留しやすいことが確認できますね。
アップ基準のモニタリング期間としては、最低3食は様子を見ます。
寝たきりの方、肺炎既往のある方に関しては、最低1週間は様子を見るようにしています。
さらに高リスクが考慮される方には、モニタリング期間を延長し慎重に判断していきます。
ダウン基準は、上記の逆になります。
一応、記載すると…
①ムセや湿性嗄声など臨床観察上の誤嚥所見がみられる
②2日以上呼吸器系による37.5度以上の熱発がある
③気道分泌物(痰)が増加している
④提供食事を平均7~8割以上摂取できない
⑤食事時間が30分以上かかる
⑥意識レベルが低下している
⑦炎症反応(CRP)が悪化している
⑧咀嚼・食塊形成ができない及び不十分
⑨窒息のリスクがある
となります。
特に④、⑤を除く場合は、アップしていく場合とは違い、早急な判断・対応が必要だと思います。