経口摂取(初期スクリーニングテストや直接訓練)の開始基準

今回は、摂食開始基準を書いていきます。

摂食開始ですから、初期評価のスクリーニングテスト(MWSTやFTなど)や直接訓練の開始基準でもあります。

 

①意識レベルがJCSⅠ桁~Ⅱ-10レベル

②全身・呼吸状態が安定

③病状の進行がない

④頻回な吸引を必要としない

⑤嚥下反射を認める

⑥姿勢の安定

⑦リスク管理がなされている

⑧受け持ちナースに確認

以上、大きく8項目を挙げました。

 

詳しくみていくと…

①は、最も基本となる覚醒が保たれているかですが、これは、ひと口毎にこの条件が守られている必要があります。

はじめは開眼していたが、最後の方は大きな声で呼びかけて肩を叩いたりしながら食事介助していた…ではダメです。

JCSⅡ-10は声掛けで開眼するレベルなので、大きな声で呼びかけてやっと目を開く状態では本来、食べない(食べさせない)方がいいです。

在宅や施設では、この大原則を守ることはなかなか難しいことかもしれませんが、STが直接訓練(摂食訓練)を行う際は、厳守してもらいたいことです。

 

②は、バイタルサインに異常はないか、酸素吸入は5リットル以下かを目安にみていきましょう。

 

③は、特にCVA後の嚥下障害の方に麻痺や言語障害の症状が変化(悪化)していないかチェックしましょう。

 

④は、痰が多量でないか、気道クリアランスが保たれているか、を確認します。

痰が多量、常に気道がゴロゴロ鳴っている、などの状態では、経口摂取はかなり慎重になるべきだと思います。

すぐに評価を行いたくても時期を待つということも必要になるでしょう。

 

⑤と⑥はそのままですが、⑤は一口目を口に入れる前に必ず確認するようにしています。

 

⑥では、できる限り体幹を安定させ、嚥下時に頚部前屈位(顎下4横指分)をとれるように調整していきます。

 

⑦は、具体的にはすぐにバイタル測定(体温計、血圧計、パルスオキシメーターを持参)や吸引が可能な状態にしておきます。

 

⑧は、カルテにはその時点では記載されていない情報の収集にもなり、下血や嘔吐が直前にあったとしてもナースに声をかけておけば、「知らなかった…」という事態を避けることができます。

また、ナースとコミュニケーションをとる良い機会になるとも思います。

 

 

 

 

 

 

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