咽頭アイスマッサージからアイス棒の提案

嚥下訓練で咽頭のアイスマッサージというのがありますが、今の職場では、加えて『アイス棒』というのを用意して嚥下訓練に用いています。

 

その作り方はと言うと

①スピッツ(尿検査時に使用する尿を入れる容器)を用意する

②そのスピッツにトロミ付きのりんごジュースを注ぐ

③次にアイスキャンディの木の棒を刺す

④そのまま冷凍庫で凍らせる

以上です。

 

当院では、この作製・ストックを栄養科に依頼し、50本単位で使い切ったら空の容器と交換という流れにしています。

 

咽頭のアイスマッサージでは物足りず、かといってゼリー等での直接訓練ではリスクの高い人にはうってつけのアイテムだと思います。

 

特に咽頭クリアランス能の不良な人には良いです。

 

 

『氷片舐め』にも似てますが、こちらの方が味がついてて評判がよいのと、元のジュースにトロミが付いているのでより誤嚥しにくくなっています。

 

トロミなしのアイス棒も試作しましたが、口で溶けた時のまとまりの良さ、送り込み易さからトロミ付きを採用しました。

 

また、自分で持って食べられる人には先行期にも働きかけられるし、絶飲食で唾液分泌が減少し、乾燥した口腔・咽頭を潤して口渇を和らげる効果もあると思います。

 

咽頭のアイスマッサージは、他動的に嚥下のトリガーポイントを刺激しますが、アイス棒は口腔期の随意的な送り込みも必要な為、より一連の摂食・嚥下運動を賦活できますし、本格的な直接訓練へ移行する準備訓練としてもいいのではないでしょうか。

 

 

ちなみに、このアイス棒を考案したのは、前の職場の元管理栄養士だったSTの先輩で、当院でもそのアイデアを拝借させて頂いています。

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