健常者のVE・VF所見(頚部伸展位、マーゲン留置、水分と固形物の混合嚥下)
健常者の頚部伸展位での嚥下はどうなっているのか?
健常者が高野豆腐(水分が離水する固形物)を食べてる時の嚥下はどうなっているのか?
健常者がマーゲンチューブを留置した状態でパンやご飯を食べたら咽頭はどうなってるのか?
健常者が、カップ麺(液体と固形物の混合物)を食べてる時の嚥下はどうなってるのか?
今回はそんな摂食嚥下に関わる者なら非常に興味深い疑問に答えるべく記事です。
以前、上司であった同じ職場のST主任(当時30代後半)がそれら疑問を解消すべく、自らVEやVFの被検者となったときの所見をシェアします。
まず、頚部伸展位のVFでは、やはり、おもいっきり食物が咽頭に残留していました。
そして分割嚥下で3回嚥下してほぼクリアしてましたが、それでも喉頭蓋谷には最後まで少し残留してました(結局、頚部を戻して最後はクリアしてました)。
次に高野豆腐ですが、これは衝撃的でした。
高野豆腐を咀嚼してる最中に離水した出汁が梨状窩にずっと留まっていました。最長で約6秒間も留まっていました。
『咀嚼中は、残留感覚がないんよね』と主任は言っていました。
健常者でもこんなに梨状窩に水分が留まった状態なのかと驚いたのを覚えています。
マーゲンチューブの留置では、これも予想外に健常者でも嚥下後にパンもご飯も咽頭に残留していました(主に喉頭蓋谷)。
特にご飯の方が残留は多かったです。
そして、最後のカップラーメンですが、これは早食い過ぎて、麺を速攻で食塊形成し丸呑みしてしまうので、高野豆腐のようなことは起きませんでした。(少量のスープが咀嚼中に喉頭蓋谷に流れてはいましたが。)
健常者の良好(正常)な嚥下でも、こうなんだから、嚥下障害のある方なら、なおさらですよね。
想像していたこともあり、想像を超えることもあり、非常に良い経験をさせてもらいました。