タイパの良い失語症評価〜SLTA総合評価尺度〜

今回は、タイムパフォーマンスの良い失語症評価尺度として、『SLTAの総合評価尺度』をご紹介したいと思います。

 

では早速、下記の内容をご覧ください。

言語理解

C1

1.単語の理解(聴く)

15.漢字単語の理解(読む)

C2

16.仮名単語の理解(読む)

C3

2.短文の理解(聴く)

17.短文の理解(読む)

 

発話

B1

11.漢字単語の音読(話す)

12.仮名1文字の音読

13.仮名単語の音読

B2

7.動作説明

14.短文の音読

B3

5.呼称

8.まんがの説明

 

書字

A1

22.仮名1文字の書取(書く)

23.漢字単語の書取(書く)

A2

18.書字命令に従う(読む)

20.仮名単語の書字(書く)

24.仮名単語の書取(書く)

A3

25.短文の書取(書く)

A4

21.まんがの説明(書く)

 

SLTAは全26の検査項目がありますが、この尺度では7項目を削り、19の検査項目で構成されています。

 

そして、ご覧いただいたように「C:言語理解」「B:発話」A:書字」の3つの因子に分けられています。

 

さらに、言語理解はC1、C2、C3、発話はB1、B2、B3、書字はA1、A2、A3、A4とSLTAの検査項目を再編成し計10の合成項目を設けています。

 

合成項目に含まれる検査項目の内、いずれかが正答率80%以上で通過となります。

例えば、合成項目C1では、「単語の理解(聴く)」か「漢字単語の理解(読む)」のどちらかが正答率80%以上であれば、C1は通過とみなし、評価点1点となります。

正答率80%未満では非通過となり0点です。

 

言語理解:Cは0〜3点、発話:Bも0〜3点、書字:Aのみ0〜4点の尺度となっており、C+B+Aでは、合計点が0〜10点の尺度となります。

 

この尺度は、失語症状の背景(障害メカニズム)を探り、失語症訓練の立案に繫げるには不向きですが、評価にあまり時間が取れない場合、患者さんへの負担をできるだけ抑えたい場合、評価点を数値化されたデータとして扱いたい場合などには有効的だと思います。

 

以上、今回はSLTAの総合評価尺度をご紹介しました。

最後までご覧いただき、ありがとうございます!

 

【参考文献】

「失語症評価尺度の研究―標準失語症検査(SLTA)の総合評価法」 失語症研究Vol.4.No.2;638−646(1984.9)

「標準失語症検査(SLTA)を総合評価する尺度―3因子構造とそれに基づく実用尺度の設定―」 行動計量学12巻2号(通巻23号)1985年 8〜21

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